mutoです。
刀のCFOが辞任。理由は「競合企業への協力」。
なかなか強烈なニュースでした。
ただ、こういう時にいつも思うのですが、
ありえないことというのは、だいたい“ありえる状態”で起きています。
今回の件も、おそらく単発の異常事態というよりは、
積み上がっていたものが表に出てきただけなのでしょう。
崩壊は特別な話ではなく、誰もが経験している
たぶん誰しも経験がある話だと思います。
恋人関係、親友関係、部活動、バンド活動、制作活動、そして会社。

最初はうまくいっているのに、少しずつ噛み合わなくなっていく。
違和感はあるのに、その時は「まあ大したことない」と流してしまう。
ところが、問題が表面化した時にはもう遅い。
関係は修復不能になっていて、後から振り返ると
「あの時おかしかったな」というポイントがいくつも思い出される。
私自身も、そういう経験は正直いくらでもあります。
というかありすぎる(笑)
きっと皆さんもそうでしょう。
終わりがない組織は、ズレが修正されない
部活動や文化祭のように終わりが明確な組織であれば、まだ耐えられます。

多少ズレていても、「ここまで頑張れば終わりだ」と思えるからです。
しかし、会社のように終わりがない組織は厄介です。
方向性が合っていなくても関係は続き、違和感を抱えたまま時間だけが過ぎていく。
そしてどこかのタイミングで、「まあ金をもらっているからいいか」と割り切ることになる。
この割り切り自体は間違っていませんが、
その瞬間に熱量や信頼のようなものは確実に失われているのだと思います。
違和感は言語化されなくても共有される
おそらく刀の内部でも、はっきりと言語化されていなくても、
違和感は共有されていたはずです。
「何かがおかしい」という感覚だけが、空気として広がっていく状態です。
ただ、それを口に出すと面倒になる。関係も悪くなる。だから誰も言わない。
結果として、違和感だけが蓄積され、解決されないまま残り続ける。
この「誰も言わないけど、みんな気づいている」状態が、一番危険なのだと思います。
違和感が出た瞬間が最後の修正タイミング
そして、その違和感が生じた瞬間こそが、実は最後のタイミングだったのだと思います。
やるべきことはシンプルで、修正することです。
方針を変える、人を入れ替える、あるいはやめる決断をする。
言い換えれば、自分たちで壊すということです。
これが、内部自己破壊です。
なぜ内部自己破壊は実行されないのか
ただ、これができる組織はほとんどありません。
なぜなら、その時点ではまだ耐えられてしまうからです。
「まだいける」「ここで変えるのはもったいない」と考えてしまい、結局は先送りになる。
その結果、修正のタイミングを逃し、壊れるタイミングを自分で選べなくなる。
最終的には外から壊される形で、しかもあまり格好の良くない形で崩れていくことになります。
歴史を見ても同じことが繰り返されている
歴史を見ても、この構造はほとんど変わりません。
多くの組織は、内部に違和感が生まれそれを修正できず、
歪みを溜め込み、最後は一気に崩れます。
約60年前の我が国も、その典型だと思います。
ズレていることには気づいていたはずなのに、止められなかった。
修正できなかった。
人間は自分では壊せない
結局のところ、人間はなかなか自己破壊ができません。
それは、自分自身を否定することになるからです。
これまでの判断が間違っていたと認めるのは、想像以上にしんどい。
だから先送りする。
米国は「仕組み」で自己破壊を実現している
そう考えると、アメリカはよくできています。

トップは選挙で定期的に入れ替わる。任期は4年、しかも2期まで。
どれだけ優秀でも、同じ人間が握り続けることは許されない。

これは、制度としての内部自己破壊です。
人間に任せるとできないから、仕組みでやらせる。
もちろん問題は山ほどありますが、
歪みを延々と溜め込み続ける構造にはなっていない。
なんやかんや言っても、アメリカが世界の覇権国家であり続けているのは、
そりゃそうだなと思うわけです。
本当はもっと早く壊すべきだが、それができない
本来なら、違和感が生じる前から、
少しずつ内部自己破壊を繰り返していくのが理想なのでしょう。
うまくいっているうちに変え、問題になる前に切る。
ただ、これは完全にコロンブスの卵です。
言うのは簡単ですが、実際にやるのは相当難しい。
組織の強さは「壊す力」で決まる
結局のところ、壊すべきタイミングで壊せるかどうか。
そこに組織の強さが出るのだと思います。
今日のところは、以上!




コメント