mutoです。
現代日本を代表する小説家であり、日本のエンターテインメント小説を牽引してきた
小説家の東野圭吾さんがお亡くなりになりました。
一人のファンとして、心よりお悔やみ申し上げます。
今日は作品のレビューではありません。
私が東野圭吾作品と出会い、どのように魅了されていったのか。
一人の読者として、少し思い出を書いてみようと思います。
最初に読んだ作品は『秘密』
私が初めて読んだ東野圭吾作品は『秘密』でした。

広末涼子主演で映画化されるというニュースを見て、
「読んでみようかな」と思ったのがきっかけです。
今思えば少し変わった順番ですね。(笑)
設定だけを見ると、「人格が入れ替わる」という比較的よくあるテーマです。
しかし、読み始めると全く違いました。
親子だからこその葛藤。夫婦だからこその苦しみ。人間の繊細な感情。
そして最後まで、「結局あれはどういうことだったのだろう」と考えさせる見事なラスト。
読み終えた後もしばらく余韻が残る作品でした。
当時の私は大学生。
片道2時間近くかけて通学していたので、電車の中は絶好の読書時間でした。
あの時期に『秘密』と出会えたことは、私にとって大きな財産です。
(その後の人生にどう生きたのか、という野暮な質問はなしでお願いします(笑))
BookOffの100円文庫が読書家を育てた時代
当時はBookOffが最も勢いのあった頃でした。
少し大きな街なら必ず店舗があり、100円文庫の棚を眺めながら宝探しをするのが楽しみでした。
『秘密』も、その100円コーナーで買った一冊です。
当時から私はテレビをあまり見ない生活をしていました。
東野圭吾のことについては「ドラマ『ガリレオ』の原作者らしい」という程度。
しかもフジテレビのドラマだったので、「どうせチャラチャラした作品を書く人なんだろう」と勝手に思い込んでいました。
(私はガリレオも再放送で一気見したタイプで、当時は見ていなかったのです)
そんな私の先入観は、『秘密』を読み終えた瞬間に完全に覆されました。
映画『秘密』を観て思ったこと
『秘密』を読み終えたあと、まだレンタル全盛期だったTSUTAYAで映画も借りて観ました。

正直に言うと、私の評価はかなり厳しいものでした。
原作を100点とするなら、映画は20点くらい。
もちろん映画が悪いという意味ではありません。
それだけ原作が圧倒的だったのです。
登場人物の心の揺れや葛藤。
文字だからこそ伝わる行間。
そして読者それぞれに解釈を委ねるラスト。
あの読後感を、2時間あまりの映像に落とし込むことは、とても難しいのだと思います。
そこで、ふと思いました。
東野先生は、自分の作品が映像化されたとき、どんな気持ちでスクリーンを見ていたのでしょうか。
「こんなはずではない。」
「任せた以上は口を出さない。」
「小説と映像は別物。」
答えは、ご本人にしか分かりません。
私は人生が終わるまでに、一人くらい小説家の知り合いを作って、この質問だけは聞いてみたいと思っています。
自分の頭の中にあった世界を、他人が映像化するとは、一体どんな気持ちなのですか。
『白夜行』で東野圭吾は本物だと確信した
『秘密』の余韻が消えないまま、次に手に取ったのが『白夜行』でした。
これには本当に度肝を抜かれました。
緻密に積み上げられたストーリー。
丁寧に描かれる時代背景。
少しずつ絡み合う登場人物たち。
そして最後に一本の線としてつながる構成。

読み終えたあと、しばらく力が抜けたことを今でも覚えています。
読了したのは新入社員として初めてゴルフ場デビューをした日の帰りの電車の中でした。
あの日の読後感は、20年以上経った今でも忘れられません。
『幻夜』で再び衝撃を受けた
続けて読んだ『幻夜』。

これにも驚かされました。
「この人は本物だ。」
そう確信した作品だったと思います。
そこからは東野圭吾作品を見つけるたびに手に取るようになりました。
読書メーターを見返すと、こんなに読んでいました
読書メーターを見返してみると、記録が残っているだけでも、
『白銀ジャック』『疾風ロンド』『ゲームの名は誘拐』『さまよう刃』
『夜明けの街で』『プラチナデータ』『パラドックス13』『沈黙のパレード』『天空の蜂』『手紙』
を読んでいましたね。
読書メーターを始めたのは2015年頃なので、それ以前も含めれば、もっと読んでいるはずです。
東野作品が日本のエンタメを支えていた時代
ドラマや映画も数え切れません。
『ガリレオ』『新参者』
『流星の絆』『マスカレード・ホテル』
テレビドラマがまだ圧倒的な影響力を持っていた時代。
東野圭吾作品は、日本のエンターテインメントを支えていたと言っても過言ではないでしょう。
私は『新参者』の映画を国際線の飛行機の中で見て何度も泣きました。
原作はまだ読めていません。
きっとドラマ以上に胸を打たれるのだろうと思います。

今度は東野圭吾だけを読み続けてみようと思う
私は特定の作家の作品ばかりを集中的に読むタイプではありません。
いろいろな作家を少しずつ読む。それが私の読書スタイルでした。
だからこそ今回の訃報をきっかけに、一度やってみようと思っています。
東野圭吾作品だけを、順番に読んでみる。
まだ頑張って営業してくれているBookOffへ行き、大人買いする。
100均コーナーだけど(笑)
学生時代と同じように、何冊も抱えてレジへ向かう。
そんな休日も悪くありません。
20代の私が読んだ『秘密』。
新入社員だった私が読んだ『白夜行』。
46歳になった今、もう一度読めば、きっとまったく違う景色が見えるはずです。
親になった今だからこそ胸に刺さる場面もあるでしょう。
社会人として経験を積んだからこそ理解できる人物もいるでしょう。
新作を読むことは、もう叶いません。
だからこそ、残してくださった数多くの作品を、これからゆっくり読み返していこうと思います。
東野圭吾さん。
数え切れないほどの素晴らしい物語を、本当にありがとうございました。
また『秘密』から、読み返してみようと思います。
ただ、当時と違い、今は娘がいる私。
果たして読めるかどうか・・・・・(笑)
今日のところは、以上!


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