個人情報は資産ではない。むしろ企業が抱える巨額の負債ではないか?、という話

サラリーマンの独り言

mutoです。

企業による個人情報流出のニュースが止まりません。

一昔前であれば、何万人もの顧客情報が流出したとなれば、それこそ大事件だったように思います。

ところが、今やすっかり日常茶飯事。

「またか……」

正直、そんな感想しか出てこなくなりました。

そういえば、昔は個人情報が流出すると、お詫びとして500円分のQUOカードなどが送られてくることがありました。

2004年のYahoo! BBの個人情報流出事件や、2014年のベネッセの顧客情報流出事件でも、500円相当のお詫びが用意されました。

ところが最近は、そんな話もめっきり聞かなくなりました。

公式サイトにお詫びの文章を掲載し、対象者にメールで通知する。

もちろん、すべての企業がそうだというわけではありませんが、随分と扱いが軽くなったように感じます。

昔は500円の価値があった私の個人情報も、今ではすっかり値崩れしてしまったのでしょうか(笑)。

まぁ、これだけあちこちに出回っていれば、無理もないのかもしれません。

しかし、個人情報流出のニュースを見るたびに、最近ふと思うのです。

そもそも企業は、そんなに大量の個人情報を持つ必要があるのでしょうか?

もっと言えば、企業が資産だと思っている個人情報は、実はとんでもない負債なのではないでしょうか。

■ 個人情報流出が日常茶飯事。私の情報はもう出回っている?

私の個人メールには、毎日のようによく分からないメールマガジンが届きます。

携帯電話には、不動産投資の営業電話がひっきりなしにかかってくる。

自宅のポストには、頼んでもいないダイレクトメールが入っています。

いったい、どこで私の個人情報を手に入れたのでしょうか。

もちろん、すべてが情報漏洩によるものとは限りません。

過去に何らかのサービスに登録したのかもしれませんし、正規の方法で取得された情報なのかもしれません。

ただ、受け取る側からすれば、そんなことはどうでもいいわけで。

私はもう、住所、電話番号、メールアドレスについては、半ば公の情報だと思うことにしています。

もちろん、クレジットカード情報や銀行口座の認証情報、病歴などが流出するとなれば話は別です。

住所や電話番号だって、悪用されれば被害につながります。

決して軽視してよい情報ではありません。

しかし、今さらメールアドレスが流出したと言われても……。

「まぁ、そうでしょうね」というのが正直な感想です。

■ 企業は個人情報を守るために、いったいいくら使っているのか?

企業が個人情報を流出させると、決まって再発防止策が発表されます。

セキュリティシステムの強化。社内規程の見直し。従業員教育の徹底。アクセス権限の厳格化。

どれも必要な対策だと思います。

企業だって好き好んで個人情報を流出させているわけではありません。

相応の費用をかけ、必死に守ろうとしているのでしょう。

しかし、それでも情報漏洩事件は後を絶ちません。

サイバー攻撃や不正アクセス、従業員の人的ミス。

どれだけ対策を講じても、情報流出のリスクを完全になくすことは難しいわけです。

もちろん、だからといってセキュリティ対策を放棄してよいわけではありません。

ただ、私は思うのです。

そこまでして守っている個人情報は、果たして持っている必要があるのでしょうか?

どうせ、その多くは開封されないメールマガジンや、ゴミ箱に直行するダイレクトメール、迷惑がられる営業電話に使われているだけではないのでしょうか。

そんなものを大量に集めて、必死に守っている。

何とも馬鹿馬鹿しい話ではありませんか。

■ 個人情報は資産? バカが持っていても何の役にも立たない

企業にとって顧客情報は重要な資産だと言われます。

確かに、そうなのでしょう。

顧客のニーズを把握し、商品開発やサービス向上に活用できる情報には、大きな価値があります。

しかし、私は思うのです。

どんなに立派な情報でも、バカが持っていては何の役にも立たないのではないか。

使えなければゴミ、いや、めちゃくちゃ破壊力のある不発弾ではないのか。

例えば、企業が10万人分の顧客情報を保有していたとします。

その情報を使ってやることといえば、誰も読まないメールマガジンを送り、捨てられるダイレクトメールを郵送し、迷惑がられる営業電話をかけるだけ。

それで「当社には10万人分の顧客データがあります」と胸を張られても……。

だから何なんですかね(笑)。

情報を大量に持っていることと、その情報を有効活用できることは、まったく別の話です。

これは、英語を使う仕事がほとんどないのに、新卒採用で高いTOEICスコアを求める人事部と、どこか似ています。

もちろん、英語力そのものには価値があります。

しかし、使う仕事も用意していないのに、採用段階ではTOEICの点数にこだわる。

いったい、何のために求めているのでしょうか。

使い道もないのに、持っていること自体に価値があると思い込んでいる。

個人情報も同じではないでしょうか。

顧客データを10万人分持っている。

20万人分持っている。

それ自体は立派なことでも何でもありません。

大切なのは、その情報から何を生み出せるのかということです。

そして、使い道もない情報を大量に抱えているなら、それはもはや資産とは呼べないのではないでしょうか。

■ 個人情報の保有コストと情報漏洩リスクは、利益に見合うのか?

もちろん、企業が個人情報を持つ必要性は理解できます。

商品を配送するには住所が必要ですし、契約管理やアフターサービスにも顧客情報は欠かせません。

法律上、保存が必要な情報もあるでしょう。

私が問題にしているのは、そうした情報ではありません。

大した活用方法もないのに、何となく集めて、何となく持ち続けている個人情報です。

個人情報を保有するためには、システム投資、セキュリティ対策、従業員教育など、さまざまなコストが発生します。

万が一情報漏洩が起きれば、原因調査、顧客対応、信用回復にも費用がかかる。

企業イメージが傷つけば、営業活動にも影響するでしょう。

つまり、個人情報は持っているだけでコストとリスクが発生するわけです。

一方、その情報から得られる利益はどうでしょうか。

開封されないメール。

捨てられるDM。

迷惑がられる営業電話。

もちろん、こうした営業活動にも一定の成果はあるのでしょう。

しかし、その成果が管理コストや情報流出リスクに見合っているかどうかは、別の問題です。

個人情報を保有することで得られる利益より、保有するためのコストやリスクの方が大きいのであれば、それは資産どころか負債です。

しかも、その負債がどれほど大きいのか、普段はなかなか見えません。

情報漏洩が発生して、初めてその重さを思い知らされる。

何とも厄介な代物です。

■ 企業は巨額の負債を後生大事に抱えていないか?

個人情報流出のニュースを見るたびに、企業のセキュリティ対策が批判されます。

もちろん、それは当然です。

しかし、私はもう一つ聞いてみたい。

「その個人情報、そもそも持っている必要があったのですか?」

企業は個人情報を資産だと考えているのでしょう。

しかし、活用する能力も目的もないまま大量に抱え込み、その管理に費用をかけ、流出すれば顧客に迷惑をかけ、自社の信用まで傷つける。

それは本当に資産なのでしょうか。

その企業の経営力と一致した情報量だったのでしょうか?

むしろ、巨額の負債を抱えているようなものではありませんか。

しかも、いつ爆発するか分からない不発弾付きです。

爆発しなければ、管理費用がかかるだけ。

爆発すれば、顧客を巻き込み、自軍も大損害。

そして、その不発弾は大して役にも立っていない。

何とも出来の悪い資産です。

いや、もはや資産と呼ぶのも失礼かもしれません。

企業が後生大事に抱えている大量の個人情報。その正体は、巨額の負債なのではないでしょうか。

そんなものを守るために、今日も企業は莫大な費用をかけている。

つくづく思うのです。

それ、そもそも持たなければいいんじゃないですかね。

今日のところは、以上!

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