mutoです。
タイトルの通り今更ながらですが、拓真VS天心2を振り返ってみます。
結果は3-0の判定で拓真の勝利。
天心も見せ場を作りましたが、私には拓真の完勝に見えました。
そして、今回の敗戦を天心一人の問題として片づけてよいのか。
むしろ、帝拳陣営の判断にこそ疑問が残りました。
今回はそんな話です。
まるで全盛期の貴乃花。井上拓真の横綱相撲
試合前、細川バレンタイン氏が拓真の仕上がりを高く評価していましたが、実際に見て納得しました。
ハンドスピード、パンチの種類、攻撃の組み立て。
純粋なボクシング技術では、拓真が一枚も二枚も上手だったと思います。
私は4ラウンド終了時点で、拓真の勝利は動かないだろうな、と思いました。
例えるなら、全盛期の貴乃花の横綱相撲。

相手の攻撃を真正面から受け止め、気がつけば土俵を割らせている。
天心が何を仕掛けても、結局は拓真のボクシングに収まってしまう。
いわゆる格が違う、という感じ。
普通に戦っていては勝てない。
結果論ですが距離を潰し、リズムを壊し、反則ギリギリ(あくまでギリギリね(笑))の
ラフファイトに持ち込む。
それぐらいのことをしなければ、勝機はなかったのではないでしょうか。
天心のパンチ力と打たれ強さは本物
一方、天心にも感心した部分はありました。
パンチの殺傷能力は、むしろ拓真以上だったのではないでしょうか。
そして、何より打たれ強い。
あれだけ被弾しながら、最後まで大きく運動能力を落とさず戦っていました。
ただ、28歳という年齢を考えると、今後も身体能力だけに頼れるわけではありません。
世界王者になるためには、被弾を減らす技術が不可欠だと思います。
再戦は早すぎた。葛西トレーナーの戦術にも疑問
元世界王者の内藤大助氏は、再戦までの期間が短すぎるという趣旨の指摘をしていました。
これも結果論ですが、その通りでした。
トップレベルの選手が、さらに一段上の技術を身につける。
それを10カ月ほどで実現するのは、相当難しいでしょう。
だからこそ、葛西トレーナーには戦術面での工夫を期待していました。
技術差を埋められないのであれば、試合を荒らしてでも勝ちにいく。
しかし、実際には拓真の得意な距離とリズムで戦う時間が長かった。
技術差を埋める時間も、差を覆す戦術も足りなかったのではないか。
そう感じました。
2度のダウンでも勝てなかった。採点差の重さ
7ラウンド、天心は拓真からダウンを奪いました。

さらに、拓真がロープをつかんで倒れるのを免れたように見える場面もありました。
個人的には、あれもダウンだと思います。
ただし、実際に認定されたダウンは1度です。
公式採点は116-111、116-111、114-113。
仮に2度目のダウンが認定され、7ラウンドが10-7になっていたとしても、ほかの採点が変わらなければ、
115-111、115-111、113-113。
拓真の2-0の判定勝利です。
つまり、仮に2度のダウンを奪っていても、勝てなかった計算になります。
これは重い。
それぐらい試合としては残酷な差があった、という動かしがたい事実です。
帝拳陣営に過信はなかったのか?
今回、最も疑問を感じたのは帝拳陣営です。
挑戦者である以上、KOするか、誰が見ても明らかな差をつけて勝つ。
少なくとも、それぐらいの覚悟で臨むべきだったと思います。
今回は違いますが、仮にドローでも王座は防衛になるわけですから。
4ラウンド終了時点の公開採点に対する陣営の反応を見ても、拓真との実力差を正確に認識できていたのか疑問です。
天心本人が、自分は負けていないと感じるのは仕方ありません。
しかし、陣営まで同じ認識では困ります。
以前から感じていましたが、帝拳陣営は天心に少し遠慮しすぎていないでしょうか。
スカウト時に何か密約でもあったのか、と勘繰りたくなるぐらいです(笑)。
もちろん冗談ですが、天心の知名度や商品価値を考えると、特別扱いされているように見える場面があります。
選手の才能を信じることと、実力差を冷静に把握することは別です。
天心に残された世界挑戦は、あと何回か
天心は28歳で、プロボクシング2敗目。
個人的には、興行として成立する世界挑戦の機会は、あと2回ほどではないかと考えています。
WBCは今回敗れた拓真、WBAには同門の増田陸。
そう考えると、次はIBFかWBOを狙うことになるでしょう。
ただし、世界挑戦を急ぐ必要はありません。
今度こそ、相手を見極め、十分な時間をかけて準備してほしい。
天心に足りなかったのは才能ではなく、世界王者に勝つための準備だった。
今回の試合を見て、私はそう思いました。
今日のところは、以上!




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