拝啓 青木真也様。大好きで、大嫌いで、それでも目が離せなかったあなたへ。という話

サラリーマンの独り言

拝啓 青木真也様。

今更ながら、RIZINでの朝倉未来戦を見た感想を、あなたへの手紙という形で書いてみようと思います。

格オタ歴30年を超える私ですが、改めて考えてみても

あなたほどデビュー当時から注目し続けてきた選手はいません。

そんなあなたが、朝倉未来に冷酷にパウンドアウトされた。

試合を見終わって、私の中に残ったのは三つの言葉でした。

有難う。

でも、もうお腹いっぱい。

時間というものは残酷。

たぶん、この三つですべてが終わる気がします。

有難う。あなたには間違いなく「色気」がありました

DEEPのトーナメントで鮮烈なデビューを飾り、その後、修斗ミドル級チャンピオンに。

「一生修斗」を宣言していたと思ったら、警察を辞め、PRIDEへ移籍。

空気を読まない勝ち方を続けるうちに、本当のトップどころと戦う前に、まさかのPRIDE消滅。

その後はDREAMで、なんやかんや言いながら大黒柱として活躍。

まさに無双状態の戦績。

でも、世界のトップ・オブ・トップにはなれなかった。

結婚。戴冠。そしてDREAMまでも消滅。

ONE Championship移籍後も勝ち続けるものの、昔のような無双感はなくなり、いつの間にか主役ではなくなっていた。

タイトルを奪われ、秋山成勲、手塚裕之に敗れ、そしてまさかのRIZIN復帰。

本当に長い時間が経ちました。

正直に言います。

とがった言動を繰り返すあなたを大好きになったことも、大嫌いになったこともあります。

でも、常に「気になる」選手だったことは事実です。

そして、これは恥ずかしながら格オタあるあるなのかもしれませんが、同世代のあなたに、私は自分の人生を投影していたのだと思います。

いや、もっとはっきり言いましょう。

早稲田大学卒業。

静岡県警に奉職。

そして退職し、プロ格闘家として生きる道を選択。

自分では到底取れないそのキャリアを選んだ、あなたの心意気に惚れていました。

安定した職業を捨て、格闘技で生きていく。

そして、その世界で順調にキャリアを積み上げていくあなたに、羨望と嫉妬すら覚えていました。

だからこそ、あなたの勝敗も、その言動も、ずっと気になっていたのでしょう。

そういったことを今になって冷静に考え、一言でまとめるなら、

あなたには、間違いなく「色気」があったのだと思います。

朝倉未来戦。あなたにも蓄積していたダメージ

今回の試合、おそらく2度目のタックルに入った段階でもらったフックが、相当効いていたのでしょう。

これまでのあなたのキャリアでは、いわゆるビッグヒットはそれほどもらっていませんでした。

だから、あなたに限って「蓄積ダメージ」というものは無い、と勝手に考えていました。

でも、一線級で戦い続ける中で、少しずつ蓄積してきたもの。

当たり前なんですけど、あなたにもあったんですね。

少し前、「KOスイッチ」という言葉が話題になりました。

今回の試合だけで耐久力の低下を断定できるわけではありませんが、昔のあなたならどうだったのだろう。

そんなことを考えてしまいました。

それでも、必死の形相で朝倉未来に組み付くあなたを見ていると、

頑張れ。頑張れ。

気がつけば、そう声をかけている自分がいました。

勝てると思っていたからではありません。

ただ、20年以上見続けてきたあなたが、必死に戦っていたからです。

でも、正直に言います。もうお腹いっぱいです

格闘技という名前ですが、要は相手を壊し合う競技です。

長く続けるものではありません。

今回、朝倉未来にパウンドアウトされたあなたを見て、私は一つの時代が終わったのだと思いました。

単に負けたからではありません。

負けること自体は、これまでもありました。

でも、今回の敗戦は、それまでとは違って見えました。

かつて、安定した職業を捨てて格闘技の世界に飛び込み、次々と相手を極めていったあなた。

そのあなたが、必死に組み付こうとして、最後はパウンドで圧倒された。

私にとって、あの光景は格闘家・青木真也の一つのピリオドでした。

もう一度トップを目指せるのか。

その答えは、あなた自身が一番分かっているでしょう。

だから、もう引きましょう。

ボロボロになってもなお戦い続けるあなたを、これ以上見たくないのです。

薄々は気づいていました。

あなたはもう限界なのではないか、と。

でも、もう少し見たい。もう一度だけ、あなたに賭けてみたい。

そんな自分もいました。

でも、今回でそれもなくなりました。

有難う。もう十分です。

時間というものは残酷

時間の流れには誰も逆らえないのです。

どれだけ強くても、どれだけ努力しても、いつかその時は来る。

それがあなたにも来ただけ。

でも、私は分かっています。

必死に戦ってきたあなたを。

DEEP、修斗、PRIDE、DREAM、ONE、そしてRIZIN。

団体も、時代も、対戦相手も変わりました。

そして、あなたを見続けてきた私も歳を取りました。

あの頃のあなたは、もういない。

あの頃の私も、もういない。

時間というものは、本当に残酷です。

でも、ここまで一人の格闘家を追いかけられたことを、

青木真也という選手と同じ時間を生きてこれたことを幸せに思っています。

有難う。

お疲れ様でした。

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