mutoです。
2030年秋、大阪・夢洲にIR(統合型リゾート)が開業する予定です。
カジノだけでなく、ホテル、国際会議場、展示場、レストラン、ショッピング、エンターテインメント施設などを一体化した巨大リゾート。
大阪・関西万博の次に夢洲を担う、関西の巨大プロジェクトです。
↓気になる一冊・・・。
私は日本人です。そして関西人です。
だから大阪IRには成功してほしい。心からそう思っています。
大阪が盛り上がって、外国人観光客が世界中から集まり、関西経済が活性化する。
そしてそれが起爆剤となり、日本が再び元気なって欲しい。
そんな未来を心から望んでいます。
ただ……。冷静に考えれば考えるほど、一つの未来が頭に浮かんでしまうのです。
夢洲は「お台場の劣化版」になってしまうのではないか?
しかも東京という圧倒的な都市力を持つお台場ですら、現在の状況を見るとなかなか厳しい。
今回は大阪IRに反対する話ではありません。
むしろ逆。
成功してほしいからこそ、
大阪IR、本当にこのままで大丈夫なの?という話。
そして後半では、経営コンサルタントでも観光の専門家でもない普通のおっさんが、
「だったら、こんなの作ったら面白いんじゃない?」
という起死回生策を無責任に、でも結構真面目に考えてみました(笑)。
大阪IR最大の問題。「なぜ大阪でカジノをするのか?」
大阪IRの大きな目玉は、当然カジノです。
でも、ここで最初の疑問があります。
外国人観光客は、わざわざ大阪まで来てカジノをするのでしょうか?

世界にカジノがほとんど存在しないのなら分かります。しかし現実は違います。
アジアにはすでにマカオがあります。
シンガポールにはマリーナベイ・サンズやリゾート・ワールド・セントーサがあります。
韓国にも外国人向けカジノがあります。
少し足を伸ばせば、アジアにはすでに巨大なカジノ市場が存在しているわけです。
そんな中で2030年になって、「日本にも巨大カジノができました!」と言われても、
それだけで世界中から人を呼べる!というのはさすがに見通しが甘いとしか思えないのす
もちろん日本旅行のついでに遊ぶ人はいるでしょう。
私だって一度くらいは行ってみたい。
でも問題はリピーターです。
ルーレットは大阪でやってもマカオでやってもルーレットです。
ブラックジャックもバカラも同じ。
だったら、「大阪でカジノをする理由」が必要なんじゃないかと思うのです。
カジノは、どう考えても客側には不利なゲーム
もう一つ気になることがあります。
カジノは基本的に、胴元が利益を得られるように設計されています。
当然です。そうでなければ巨大なカジノ施設なんて維持できません。
つまり長く遊べば遊ぶほど、客全体では負ける。
そんなことは多くの人が知っています。
もちろん、それでも人はギャンブルをします。
競馬も競輪も宝くじもあります。
「今日は3万円まで」と決めて、娯楽として楽しむ需要は間違いなくあるでしょう。
でも、大阪IRという巨大施設を維持できるほど、
そう割り切って世界中の人が夢洲でお金を落とし続けてくれるのか?
ここは個人的にかなり疑問です。
そして何より夢洲はアクセスが微妙
さらに気になるのが立地です。
夢洲。
大阪・関西万博によって知名度は一気に上がりました。
大阪メトロ中央線も夢洲まで延伸されました。
とはいえ、です。
大阪の主要交通拠点を考えてみます。
新大阪。梅田。難波。関西国際空港。京都。
どこから見ても、夢洲がものすごく便利な場所とは言いにくい。
ということは、結局日本の大動脈である新幹線との接続が悪い、ということ。
東京、名古屋、広島、福岡などから来た人は、新大阪からさらに夢洲へ移動する必要があります。
これは結構致命的だと思います。

MICEを売りにするなら、なおさら北の方が便利では?
大阪IRでは、大型国際会議や展示会などのMICE需要も重要視されています。
これも少し引っかかります。
企業の会議や展示会なら、新大阪や梅田の近くの方が圧倒的に便利じゃない?
と思ってしまうのです。
東京から新幹線で来る。新大阪で降りる。
そこからさらに夢洲へ移動する。会議が終わったら、また移動する。
参加者の立場になれば、アクセスの良い場所の方がありがたいでしょう。
もちろん夢洲には巨大な土地があります。
大型展示場やホテル、会議場などを一体開発できるメリットもあります。
ただ、「土地があるから作れる」と「そこに需要がある」「そこに需要が作れる」は別の話です。
夢洲を見ていると、お台場を思い出す
そして私が夢洲について考えるたびに思い出すのが東京のお台場です。
お台場も決して悪い場所ではありません。
景色はいい。ホテルもある。商業施設もある。イベント施設もある。展示場もある。観光施設もある。
それでも、正直言って現状は苦しい。圧倒的に苦しい。

世界有数の東京にあるお台場でもそういう状況である事実から目をそらしてはいけません。
だとしたら夢洲は?
どうしても私は、「お台場の劣化版」になってしまう未来を想像してしまうのです。
開業直後はそりゃある程度、人が来るでしょう。
日本初の本格的IRです。テレビもYouTubeもSNSも取り上げる。
私も行くと思います(笑)。
怖いのは5年後、10年後です。
2035年。平日の午後2時。
そのとき夢洲にどれだけ人がいるのでしょうか。
だったら「大阪にしかないカジノ」を作ったらどうだろう?
ここまで散々好き勝手書いてきました。
でも批判だけなら誰でもできます。
そこで普通のおっさんなりに考えてみました。
どうすれば夢洲まで外国人に来てもらえるのか?
一つ思いつきました。
普通のカジノを作るのをやめればいい。
いや、もちろんルーレットもブラックジャックもバカラも置けばいいんです。
でも、それを大阪IRの主役にしない。
代わりに、「日本でしか体験できないエンターテインメント」を前面に出す。
例えば夢洲の中を、日本の時代ごとに分けてしまうのです。
江戸ゾーンでは花札と丁半博打
まず江戸時代。
ここでは花札。そして丁半博打。
特に丁半は外国人にも分かりやすいと思います。

サイコロを振って、合計が偶数か奇数か。
丁か、半か。非常にシンプルです。
壺振り師がサイコロを振る。
周囲を和風の賭場にする。

提灯、暖簾、木造風の建物。
そこで、「丁!」「半!」と外国人が遊んでいる。
これ、結構面白くないですか?
ルーレットなら世界中にあります。
でも、本格的に演出された江戸の賭場で丁半博打ができる巨大IR
なんて、世界でも無いでしょう。
大正モダン、昭和レトロへ時代を進める
そこから歩いていくと、街並みが変わる。
江戸から明治・大正へ。
洋館。カフェー。ジャズ。ビリヤード。
少しモダンな日本になります。
そして、さらに進むと昭和。
ここでは射的。スマートボール。ピンボール。昔のゲームセンター。
当時日本発信で世界を席巻したパックマンやインベーダーゲームに存分に活躍してもらいましょう。

もちろん初期のマリオ、ドンキーコングもここで登場してもらいます。
もちろん昔のでっかいゲーム卓で。

歩いているだけで日本の娯楽文化の歴史を体験できる。
これならマカオやシンガポールとの差別化になります。
「世界最大のカジノ」を目指す必要なんてない。
「世界でここにしかないIR」を目指せばいい。
↓家庭で楽しめるらしい。貯金箱にもなっているというまさかの進化(笑)
20分だけ本気のショーを見せる
そして各エリアでは、定期的に20分くらいのショーを開催する。
江戸なら殺陣。忍者。侍。
大正ならレビューやジャズ。
昭和なら歌謡ショー。
ただし重要なのは、全部見せないこと。
加藤茶的に言うと「ちょっとだけよ~」です。

20分だけ。
その代わりめちゃくちゃクオリティーの高いものを見せる。
そして最後に、「もっと本格的な時代劇の世界を体験したければ○○へ」と案内する。
例えば太秦。
昭和の大阪文化に興味を持ったら新世界へ。
食文化なら道頓堀や黒門市場へ。
寺社なら京都や奈良へ。
港町文化なら神戸へ。
ガチの江戸文化なら東京まで行ってもらいましょう。
つまり夢洲ですべて完結させない。
夢洲を「関西観光の巨大ショールーム」にしてしまう
これが私の妄想の核心です。
夢洲を巨大観光地として単独で成立させようとするから苦しくなる。
だったら、夢洲を関西、いや、日本観光のショールームにしてしまえばいい。
日本に到着した外国人が夢洲へ来る。
江戸、大正、昭和、現代の日本を一気に、でもちょっとだけ体験する。
そしてリピートを呼び込む。
夢洲 → 大阪 → 京都 → 奈良 → 神戸→東京
という観光動線を作る作るのです。
大阪IRだけで外国人観光客のお金を全部吸い上げようとするのではなく、
IRを入口として複数回に分けて日本を堪能してもらう、という構造です。
こちらの方が、現実的じゃないですかね?
これなら、「なぜ大阪まで行くの?」という問いに
「そこにしかないから」と答えられると思うのです。
2035年の平日午後2時、夢洲はどうなっているだろう
先にも述べましたが私は大阪IRに失敗してほしいわけではありません。
むしろ逆です。
日本人として。関西人として。成功してほしい。
だからこそ心配なのです。
開業直後に何百万人来た。初年度の売上がいくらだった。
そんな数字だけで成功とは言えません。
私が見たいのは2035年です。
開業から約5年。
珍しさがなくなった頃、平日の午後2時。
そのとき世界中から来た観光客が夢洲を歩いているのか。
それとも巨大な施設だけが残り、
「昔、ここで万博やってたんだよ」なんて話をしているのか。
前者であることを切に願い、今日はここで筆をおきます。


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