君は写ルンですを知っているか?──観月ありさのCMと“お正月を写そ”が蘇る、フィルムカメラ黄金期の記憶、という話

君は○○を知っているか!

mutoです。

最近、「写ルンです」が若者の間で再び人気を集めているそうです。
レトロな質感、独特の粒子感、そして“現像を待つワクワク感”。
今やそれが「エモい」と呼ばれるのだから、時代は面白いものです。

でも、私と同世代の人間にとっての写ルンですは“懐かしいおしゃれアイテム”ではなく、
青春そのものでした。

小3の私と、ウエストポーチの写ルンです

初めて手に入れたのは小学校3年生の頃。
ウエストポーチに写ルンですを入れ、大事に大事に持ち歩いていました。
一枚撮るごとに緊張して、「あっ!」と誤って数枚シャッターを切ってしまうことも(笑)。

現像してみたら、なぜか天井と床だけの写真が数枚
「何これ?」と家族に笑われたのも、今となってはいい思い出です。
でもその“失敗すら楽しかった”のが、あの頃のカメラ体験でした。

当時の修学旅行や遠足にはカメラマンさんが同行していて、
後日掲示板に貼られた写真を見て、自分の写ったものを注文するのが“常識”でした。
そんなビジネスモデルをぶち壊したのが、写ルンです。
「自分で撮る」という体験を、子どもたちに開放した革命児でした。

修学旅行と「27枚の奇跡」

中でも忘れられないのが、小学校の修学旅行。
前日に親から渡されたフラッシュ付きの写ルンですを、
私はまるで宝物のようにリュックに詰めました。

「これは特別な27枚になる」と信じて、1枚1枚を慎重に構え、
無駄打ちしないように、まるで儀式のように撮っていました。
その結果──帰宅しても数枚残っていたのです(笑)。

でも、あの「撮るか、やめるか」と悩んだ時間こそ、
今振り返れば最高のシャッターチャンスだったのかもしれません。

撮らずに終わったフィルムと、私のエリクサー症候群

今思えば、あのときから私はエリクサー症候群にかかっていたのかもしれません。
「もっと特別な瞬間が来るはず」と思いながら、シャッターを切れずに終わる。
──まさに、RPGで回復アイテムを最後まで取っておくタイプのあれです(笑)。

でも、そういう“使えない性格”があったからこそ、
1枚1枚を大切にできたのだと思います。
そう考えると、私はあの頃からすでに時代の先端を走っていたのかもしれませんね(笑)。

フラッシュ付き・日付入り──技術革新の衝撃

のちにフラッシュ付きモデルや日付入りモデルが登場したときは衝撃でした。
夜でも撮れて、日付まで記録できるなんて夢のよう。
「もうこれ以上便利なカメラは出ない」と本気で思っていました。

まさか数年後、デジタルカメラが登場して、
写ルンですをあっという間に過去の遺産にしてしまうとは──。

「お正月を写そ」──あのCMが蘇る

年末になると必ず流れていた、観月ありさの「お正月を写そ」。


あのサウンドロゴ、今でも耳に残っている人多いはずです。

平成初期を生きた人であのサウンドロゴを口ずさめない人は間違いなくモグリです。(笑)


街の写真屋さんは現像を待つ人の列でいっぱい。
商店街には必ず一軒、現像屋がありました。

観光地のお土産屋でも、コンビニでも、写ルンですは必ず売っていた。
カメラは“特別な機械”ではなく、誰でも手に入る思い出製造機だったのです。

写ルンです──栄枯盛衰の物語

写ルンです。
それは、もともと高尚な趣味の象徴だった「カメラ」という世界観を壊した破壊者でした。
「誰でも撮れる」ことを当たり前にした革命児。
けれどその後、デジカメという新たな技術にその地位を奪われ、今度は自らが壊される側になっていく。

さらに時を経て、デジタル一眼レフが登場し、
「やっぱり“ちゃんと撮る”ことの価値」が再び見直される。
──まさか、また世界観が覆るとは。

そして今。
不便さと粗さが見直され、レトロブームの波に乗って、
写ルンですが再び脚光を浴びています。
まさに中島みゆきの「時代」──
回る回るよ、時代は回る。
あの曲のフレーズが、まさにぴったりです。

現在の価格は?

さて、そんな写ルンですが、今はいくらするのでしょうか。
当時は大量生産の恩恵で1,000円を切る価格で買えた記憶があります。
それが今では──なんと約2,800円前後

かつて“使い捨てカメラ”だった存在が、
いまや“レトロ体験を買う贅沢品”へと変わりました。
不便さが、価値に転じる。
そして“思い出を撮る”から“体験を残す”へ──
時代は本当に、静かに一周したのだと思います。

今日のところは、以上!

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