mutoです。
ファミリートレーナー。
名前だけで懐かしくなる人もいるんじゃないですかね。
1986年、日本で発売された“マット型コントローラー”。

マットの上で走ったり踏んだりジャンプしたりすると、その動きがファミコンに反映されるという、当時としてはだいぶ未来寄りの遊びだった。
発売はバンダイ。ただその後、任天堂が海外用に「Power Pad」を展開したことで、
いまでは 「任天堂の体感ゲームの原点」 みたいな扱いになっている。
Wii Fitやリングフィットが流行ったとき、私は素直にこう思った。
「あ、これ昔見たわ。」
という、あの既視感。

■ 技術が追いつかない時代の“未来マット”
ただし、ファミリートレーナーには大きな弱点があった。
- 反応が遅い
- 画面が荒い
- センサーがそこまで精密じゃない
こちらは全力で走っているのに、キャラはのんびり後からついてくる。
ジャンプしても1テンポ遅れて「ポヨン」。
アイデアは最高だった。
でも時代の技術が追いついていなかった。
典型的な“早すぎた発明”である。

■ 私の実体験──靴下で滑って、昭和の床へダイブ
よく遊ばせてもらったのは、木造二階建ての友達の家。

靴下のままマットに乗った私は、スタートと同時に
ツルッ!
そのまま豪快に転倒。
あの瞬間の恥ずかしさは今でも覚えている(笑)
しかも今思うと、あの家、かなりたわんでいたと思う。
小学生が何人も全力で走って跳ねていたのだから無理もない。
マンションだったら確実に階下トラブル案件。
「ドンドンうるさい!」
「何してるの!?」
間違いなく大揉めだっただろう(笑)

昭和は、こういう細かいケアにあまり神経質じゃなかった。
その“雑な強さ”も、あの時代らしいところだ。
■ 持っている家はレアだった
北米では約50万台売れたらしいが、私のまわりでは本当にレア中のレア。
持っている家は一軒だけで、そこに集まるのがイベント感すらあった。
昭和の子どもって、こういう“未来っぽいものを持ってる家”に弱かった。
■ それでもファミリートレーナーは“時代の先頭”を走っていた
技術不足でうまく広がらなかったのは事実。
ただ、その後に続いた流れを見ると、
- Power Pad
- Wii Fit
- バランスWiiボード
- リングフィットアドベンチャー
これらは全部、ファミリートレーナーの延長線上にある。
つまり、完成形にはならなかったけれど、
“最初の一歩”としては大きすぎる功績
なのだ。
■ 任天堂は“こういう失敗を恐れない会社”
ファミリートレーナーを思い返すと、私はいつも思う。
任天堂って、こういう無茶な挑戦を普通にやるから強い。
今の時代なら、
- 階下トラブル
- 住宅事情
- センサーの限界
- 市場規模の不透明さ
こういう理由で企画が止まる。
でも任天堂は、
「面白ければやる」
「未来はこっちだ」
「技術はあとで追いつく」
という姿勢で進む。

この“前のめりさ”が、他の日本企業にはなかなかない魅力だと思う。
昭和の日本は大胆だった。
細かいことより「まずやろうぜ」が勝っていた。
令和になった今、迷惑はかけない範囲で(笑)、
あのちょっとした“勢い”は取り戻してもいいのではないか。
未来って、意外と「走りながら作られていく」ものだから。
おまけ
昭和のゲームって、今思うと“未来へ向かう実験”みたいなところがありました。
ファミリートレーナー以外にも、
同じ空気をまとった昭和の名物たちがあります。
▼ 君はディスクシステムを知っているか?──80年代に本当に存在した“赤い未来”
https://mutoblog.com/…
▼ 君は高橋名人を知っているか?──16連射で日本中をざわつかせた男
https://mutoblog.com/…
気が向いたら、ぜひこちらも。
今日のところは、以上!
|
価格:5800円 |
![]()
|
FC ファミコンソフト バンダイ ファミリートレーナーシリーズ2 ランニングスタジアムアクションゲーム ファミリーコンピュータカセット 動作確認済み 本体のみ【中古】【箱説なし】【代引き不可】【F】 価格:6000円 |
![]()


コメント