mutoです。
オコエ瑠偉が巨人を退団しました。
高校時代のオコエ瑠偉選手が放っていた存在感は、本当にすごかったです。
野球に詳しくない人でも「あ、この子は別格だな」と一目でわかる身体能力。
走力・肩・守備範囲・打球の強さ。どれをとっても規格外でした。

そして何より、スター性があった。
身体能力だけなら化け物じみた選手は過去にもいましたが、
オコエ選手には「花」があったんですよね。
- 足は速い
- 肩は強い
- 守れる
- 打てる
- そしてスター性がある
いわゆる“5ツールプレイヤー”+スターの匂いを、誰もが感じていたはずです。
だからこそ、多くの人がこう思っていたのではないでしょうか。
「このまま伸びれば、松井稼頭央のよう日本球界を無双したあと、MLBへ挑戦する未来もあるのでは?」
その青写真を描いていたのは、本人だけでなくファンも同じだったはずです。
ところが現実には、オコエ選手は28歳で巨人を退団するという結末を迎えました。
ここには、非常に残酷で、とてもシンプルな真実が横たわっています。
「どれだけ才能があっても、変われない人はプロの世界では生き残れない。」
■ “素材型”がぶつかる壁──身体能力だけでは勝てなくなる瞬間
高校時代のオコエ選手は、圧倒的な身体能力で全てをねじ伏せるタイプでした。
しかしプロは、周りも身体能力お化けだらけ。
そこで求められるのは、
- 打撃フォームの再構築
- 配球理解
- 走塁判断
- メンタルコントロール
- 試合への準備
- 日常のセルフマネジメント
といった、“身体能力以外の領域”です。
松井稼頭央選手がスーパースターになれた理由の1つは、
この部分を徹底的に磨き続けたからだと思います。
一方で、オコエ選手は
「型を変える」「自分を作り直す」
というフェーズで苦しんでしまったように見えます。
これは珍しい話ではありません。
むしろ“素材型の天才”ほどここでつまずきやすい。
■ 楽天で燻り、巨人で再挑戦。それでもブレイクしきれなかった理由
楽天時代のオコエ選手は、ケガやコンディション、時に言動面での報道もあり、
どうしても“プロの型にハマりきれない選手”という印象がありました。
それでも時折見せるプレーは本当に強烈で、
「ちゃんとハマれば凄いことになるのに…」
と誰もが思うタイプだったと思います。
現役ドラフト第1号として巨人へ移籍したときは、
多くの人が「ここからだ」と期待したはずです。
巨人は良くも悪くも“規律の球団”。
育成ノウハウも明確で、プロとしての型が決まっています。
言い方を変えると、
「ここで結果が出なければ、本当に難しい」
という環境でした。
実際、巨人移籍後には、
- 打席での粘り
- 打撃フォームの修正
- 走塁の意識の変化
確かに“変わった”ように見える瞬間もありました。
ただ、チーム編成や外野の構想の中で、
オコエ選手が“絶対的なポジション”を確保するには至らず、
少しずつ立場が苦しくなっていった印象があります。
プロの世界は本当にシビアで、
ちょっと伸び悩めば、あっという間に席がなくなる。
これは多くの選手が経験する現実です。
■ スポーツの構造は、サラリーマンの世界とまったく同じです
20年会社員をやってきた立場からすると、
プロ野球の世界で起きていることは、会社でも普通に起きています。
どれだけ能力が高くても、
- 振る舞いを変えられない
- 働き方を改善できない
- 人との関わり方をアップデートできない
- 時代や環境に適応するスピードが遅い
こういう人は、本当に損をします。
逆に、実力は“そこそこ”でも、
環境や時代にフィットした人が一気に出世していく例も、山ほど見てきました。
野茂英雄のトルネード投法や、
イチローの振り子打法が成功したのも、
能力 × 環境 × 時代
の“奇跡の一致”があったからだと思います。

そして正直にいうと、
会社員の世界では、この“環境にハマって跳ねたタイプ”のほうが圧倒的に多いです。
■ では自分はどっちなのか?
ここまで書いておいてなんですが、
「ではあなたはどちら側ですか?」と問われると……
……まぁ、どっちつかずです(笑)
多少は柔軟に変わってきた部分もありますが、
突っぱねて痛い目を見たことも数え切れません。
貫き通すほどの実力があるわけでもなく、
流されるほど素直でもなく、
なんとも扱いづらい40代半ばだな、と思っています(笑)
でも、こういう“半端者”だからこそ、
オコエ選手のニュースに妙に胸が刺さるのかもしれません。
■ 才能があっても、環境と噛み合わなければ勝てません
オコエ選手のキャリアを見て改めて思うのは、この一点です。
「才能だけでは勝てない。
変わる力と、環境との相性が、人生を大きく左右する。」
これはスポーツでも、会社でも、人生でもまったく同じです。
■ 最後に──40代半ばの人生の先輩として、オコエ瑠偉選手へ
最後に、一言だけ。
「とにかく頑張れ! 人生は生きているだけでえらいんだぞ!」
「自分の人生に責任をとれるのは、結局自分だけです。」
……まぁ、毒にも薬にもならないアドバイスですね(笑)
でも、40代になると、この“当たり前すぎる当たり前”が
じわ〜っと心に染みてくるものなんです。
オコエ選手には、ここから先の人生を
誰に遠慮することもなく堂々と歩いていってほしいと思いますし、
これはそのまま、自分自身にも返ってくる言葉だなと感じています。
今日のところは、以上!


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