君はドラムバッグを知っているか?──平成初期、“修学旅行の主役”だった絶滅危惧種、という話

君は○○を知っているか!

mutoです。

キャスター全盛の今、ドラムバッグは絶滅危惧種

キャスター付きスーツケースが当たり前になった令和。
そんな時代に、あえてこの言葉を叫びたい。

君はドラムバッグを知っているか?

平成初期の中高生にとって、あれは修学旅行の“正装”だった。
今となっては絶滅寸前のバッグだが、当時はほぼ全員が使っていたのだ。

ドラムバッグとは何か?(特徴をサクッとまとめる)

まずは、検索ユーザー向けに事実からいこう。

  • 円筒型のソフトバッグ
  • キャスターなし(=転がせない)
  • 荷物が少ないと形が“ぐにゃっ”と崩れる
  • 片側の肩に全重量がのしかかる
  • デカいので結局床に直置き
  • 満員電車では“ただの巨大な障害物”

……はい。
スーツケースに淘汰されるのは当然です。

でも、当時の中高生は全員これを誇らしげに持っていた。

90年代前半の空気:スラムダンク×NBA×部活文化の熱量

背景には、当時の空気がある。

  • 『スラムダンク』(1993〜1996)の大ヒット
  • NBAブーム
  • ストリート系ブランド人気
  • コンバース・ブルズロゴ全盛

この“バスケ文化の熱”が、中高生のバッグ選びにまで影響を与えていた。

結果、
シカゴ・ブルズのロゴ入りドラムバッグ=中高生の頂点。

持つだけで強くなった気がしたのだ。

私はミズノ SUPERSTAR(紫)のドラムバッグだった

一方、私はというと──

ミズノの陸上ブランド “SUPERSTAR(紫)” を愛用。

なぜSUPERSTARにしたのか?

理由は、驚くほど単純。

当時流行っていた「とんねるずのハンマープライス」でSUPERSTARのCMを観たから(笑)

あの、“何でもオークションにかけるバブリー番組”である。
とんねるず全盛期、ミズノもスポンサーでガンガンCMが流れていた。

当時の中学生は、ほぼ全員ハンマープライスを観ていたはずだ。

翌日には、私は完全に影響されてこう思った。

「よし、SUPERSTARにしよう。」

ただし言っておく。

私は陸上部でも何でもありません(笑)

テレビに乗せられただけの純真な中学生だった。

※「ハンマープライス」については、別記事でしっかり書きます。語り尽くせませんからね。

修学旅行の朝、ターミナル駅には“ドラムバッグ少年”が溢れていた

修学旅行当日のターミナル駅の光景は忘れられない。

  • ドラムバッグを斜めがけにした男子
  • ガッチガチに固めた前髪
  • まとまらない女子グループ
  • すでに疲れている担任の先生

そして私も、この群れに混ざっていた。

そして今だから言える“懺悔”

当時の私は、こう思っていた。

「ドラムバッグを電車に持ち込む俺、かっこいい」

はい、今思うと完全に勘違いです。

足元に置いたドラムバッグは、
確実に他の乗客の邪魔だった。
しかも男子数名で乗っていたから被害は倍増。

30年越しですが──
当時の電車の皆様、本当に申し訳ありませんでした。

若さって怖い。

ドラムバッグの“欠点の塊スペック”をまとめておく

今だから冷静に書けるが、ドラムバッグは本当に不便だった。

●キャスターなし

普通に重い。腕と肩が死ぬ。

●ソフト素材で形がぐにゃる

荷物が少ない日は“しなしな状態”で逆に恥ずかしい。

●肩がけで体のバランスが崩壊

修学旅行なのに謎の筋トレ状態。

●デカくて直置き

駅の床に直置きとか、令和の衝撃ポイント。

●公共交通機関でとにかく邪魔

邪魔度数:★★★★★

便利さではスーツケースの圧勝だ。

それでも当時の中高生がドラムバッグを選んだ理由

スペックではスーツケースに負ける。
でも、選ばれ続けていたのには理由がある。

  • 流行の象徴
  • 仲間との一体感
  • 部活文化
  • “旅に出る感”の演出
  • 少し大人になった気がする背伸び

こういう“感情の価値”がドラムバッグにはあった。

だから重くても、不便でも、邪魔でも──

あれを背負うことが青春だった。

そして今──家の押し入れに、まだ“紫のSUPERSTAR”がある

実は、私のSUPERSTARのドラムバッグ。

いまだに家にあります。

何が入っているのかはよく分からない。
気づけばパンパンに詰まった状態で、棒状になっている。

しかも、押し入れで 縦に収納されている(笑)

見るたびに思う。

「この中に、俺の平成初期が全部詰まってるんだな」と。

ドラムバッグは、ただのバッグじゃない

あれは青春そのもの。
修学旅行の匂い、部活帰りの汗、友達との馬鹿話──
全部背負って歩いた記憶の塊だ。

もし実家にドラムバッグが残っているなら、
捨てなくていい。

それはもうバッグではない。

あなた自身の歴史だから。

今日のところは、以上!

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