首相給与返納は悪手──資本主義を歪める危険なパフォーマンス
mutoです。
先日、「給与増額法」が成立し、公務員の給与が引き上げられることになりました。
これは賛否両論ありますが、私は非常に良いことだと考えています。
なぜなら、公務員給与が上がれば、民間企業も賃上げを迫られ、結果的に社会全体の所得水準が上がるからです。
問題は「首相の返納アピール」
ところが、今回のニュースには気になる一節がありました。
首相が「増額分を返納する」と宣言し、それをニュースとして発表したことです。

一見すると「清廉潔白で素晴らしい行動」に見えるかもしれません。
しかし、これは資本主義において極めて有害なパフォーマンスです。
なぜ給与返納アピールが有害なのか
給与とは、成果や責任に対する正当な対価です。
それを堂々と受け取らず、あたかも「もらわない方が正しい」という空気を作ると、組織全体に悪影響を与えます。
- トップの給与が上がらない
- 給与面で魅力のないポジションになる
- 優秀な人材が集まらない
この流れが固定化すると、組織や国家は競争力を失います。
プロ野球の歴史が証明している
この構造は、スポーツ界にも同じように存在します。
かつて王貞治や長嶋茂雄が現役時代に「遠慮して」高額年俸を受け取らなかったため、そのツケは後輩世代まで回りました。

この空気を破ったのが、落合博満です。

王・長嶋ではできなかったことをやり、プロ野球界の年俸相場を根底から変えた人物と言えます。
彼が1億円プレイヤーとなったことで、ようやく日本のプロ野球選手は自分の実力に見合う報酬を堂々と受け取れるようになりました。
正直、落合はもっと尊敬されてよい人だと私は思います。
もし彼がその突破口を開かなければ――
大谷翔平のような年俸数十億円プレイヤーは生まれなかったでしょう。

返納したいなら「黙ってやる」
実は、政治家の給与返納や寄付というのは、**支持率が下がってきたときに行う“困ったときの常套手段”**でもあります。
たとえば、他国の政治家が支持率低下時に隣国批判を行うのと同じ構造です。
困ったらとりあえずやる――という非常に安直なアクションなのです。
首相がどうしても返納したいなら、それは誰にも知らせずにこっそりやるべきです。
ニュースにして美談として広めるのは、短期的な人気取りにはなっても、長期的には組織全体の損失につながります。
資本主義の一丁目一番地
資本主義社会において、給与は仕事と責任に対する評価そのものです。
トップがそれを自ら否定するような行動は、制度の根幹を揺るがします。
堂々と受け取り、その給与に見合うだけの成果を上げる――
それこそが真に求められるリーダー像です。
まとめ
- 公務員給与の引き上げは社会全体の賃上げにつながる
- 首相の給与返納アピールは悪しき前例
- 高額報酬を堂々と受け取ることは、後世の待遇基準を作る行為
- 王・長嶋ではできなかった改革を成し遂げた落合博満は、もっと尊敬されるべき人物
- 政治家の返納・寄付は「困ったときの常套手段」であり、安直なパフォーマンスに過ぎない
リーダーの報酬は、**「遠慮」ではなく「覚悟」**で語られるべきです。
今日のところは、以上!
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