mutoです。
こちらで育休期間を活用して図書館を利用してみた、という記事を書きました。
子供のための絵本貸し出し、読み聞かせもよいのですが、
自分自身のため、以前から気になっていた一冊を手に取ってみました。
それがこちら。
【中古】 木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか /増田俊也【著】 【中古】afb 価格:500円 |
かなりの大作でしたが、育児の隙間時間を寄せ集めて
何とか読了することができました。
率直な感想
「木村の前に木村無し、木村の後に木村無し」と言われるほどの
伝説的な柔道家、木村政彦について、
その誕生~全盛期、プロレス時代、そしてその後を丁寧に追った大作。
よくぞここまで緻密に取材をしたものだ、と思わずうなるような力作でした。
著者の増田俊也さん自身、高専柔道経験者、ということもあり
柔道家のプライドをかけて書き上げた、という熱気むんむんの一冊でした。
ただ、伝説に尾ひれがつきすぎかな?と率直に思いました。
木村政彦については圧倒的な戦績、表紙の写真にあるような圧倒的な体格など
伝説的な柔道家であることは事実でしょうが、今のトップ柔道家により
(寝技は特に)強かった、強いに違いない的な叙述については、
いささか無理があると思われます。
今と昔の柔道は競技内容・ルールそのものが大きく違っていますし、
そもそも時代を超えた選手の比較は我々の想像のみで繰り広げられる
妄想の域は出ない話なのですが、
木村政彦の全盛期の競技人口と今の競技人口、
科学的トレーニング、分析の進み方
競技そのものの進歩などを鑑みて
現代のトップ選手が負けるとは、ちょっと常識的に考えられない・・・。
イチローに対してケチをつけ続けていた〇本さんのように思えてくるのです・・。
時代、政治的駆け引きに翻弄された木村政彦
もう一つの感想が、伝説的な強さを誇った木村政彦といえども
戦争、戦後の混乱、柔道界、プロレスを含むエンタメ界の政治的駆け引きの中で
正当な評価が受けられなかった、という事実はよく分かりました。
勝者と敗者がはっきりと分かれる格闘技の世界においても
結局腕力ではなく政治的駆け引き、そして運がその人の運命を左右した、
という残酷な事実もすごく印象に残りました。
いずれにせよ、偉大な先人たちと
その生きざまを書籍という形で発表いただいた著者には
本当に敬意を表します。
今日のところは、以上!
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