平成初期、世の中に突然現れたインパクト抜群の飲料──「鉄骨飲料」。
名前のごつさはまるで建材そのもの。しかし味はまさかのグレープフルーツ。
「いや、そこはせめてヨーグルトやろ!」とツッコミ必至の設計でした。
ところが飲んでみると、これが意外にも美味しい。
「ごつい名前で身構えさせてからの裏切り」──そんな遊び心と挑戦心に、消費者はまんまと乗せられたのです。
🥤 驚異の販売数とメディア展開
- 発売からわずか1年間で、1億5000万本以上を販売。(Wikipedia)
- 鷲尾いさ子さんが歌うCMソング「鉄骨娘」は1990年にシングル化され、15万枚を超えるセールスを記録。
- しかもCDだけでなく、カセットテープやビデオテープまで発売され、合計で14万枚+1万4000本が世に出回ったといいます。
一本の飲料をここまでメディアミックス展開してしまう──まさに「攻めた商品」でした。
🎥 鉄骨娘のCMは時代を映す鏡
鷲尾いさ子さんが「鉄骨娘」として踊り歌うCM映像。
今改めて見ても、とにかく豪華で派手。
「ドンだけ製作費かけてんねん……」と思わず突っ込みたくなるほどのスケール感。
昔って、こういう遊び心に本気でお金を突っ込める“余裕”があったんですね。
正直、あの時代に広告マンとして仕事してみたかった……(笑)。
ちなみに当時小学生だった私はこのCMソングを口ずさんでいましたね。
替え歌を作ったりとして。
ユーザーではない私ですら口ずさむ、ということですからそれだけクオリティが高かった、ということでしょう。
サントリー、さすがです・・・・。
🎙 “鉄骨娘”と広告マンの遊び心
セクシーな衣装の鷲尾いさ子さんが「鉄骨娘」として歌い踊るCMは、あの時代の空気を象徴するもの。
内容は真剣だけど、どこか“仕事を楽しんでいる”雰囲気が漂っています。
今よりずっとハードに働いていた時代なのは間違いありません。
けれども同時に、テレビCMや商品の一つひとつに「勢い」「元気」「楽しさ」がにじみ出ていた。
鉄骨飲料の存在そのものが、“元気があった時代”を映す鏡だったのだと思います。
💭 令和にほしい、このくらいの冒険心
今の広告や商品設計は、効率と安全性を最優先に磨かれすぎているのかもしれません。
でも鉄骨飲料には「消費者を驚かせてやろう」「笑わせてやろう」という茶目っ気があった。
だからこそ、名前のインパクト・味の意外性・広告の派手さが三位一体となって、文化史に残るヒット商品になったのでしょう。
令和の今も、あの頃のように“遊びながら挑戦する”精神を忘れたくないものです。
次回は──
- 君は「つるピカハゲ丸」を知っているか?

続編もぜひご期待ください!
今日のところは、以上!
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価格:1750円 |
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