mutoです。
「懐かしい!」と思ったあなた。
おそらく昭和50〜60年代生まれの“元・昭和キッズ”ですね。私もその一人です。
貞子もいなければ、トイレの花子さんも流行る前。
私たちを怖がらせ、夢中にさせたのは、中国からやってきた“ぴょんぴょん跳ねるお化け”。
それが──キョンシーでした。
■ キョンシーって何者?
キョンシーとは、元々中国の民間伝承に登場する“死体が動き出す妖怪”。
設定としては、いわばゾンビやドラキュラに近い存在です。
特徴をざっと並べると:
- 死後硬直で両腕を突き出し、跳ねるように移動
- 額に貼られたお札が制御装置。外れると暴走
- 噛まれた人もキョンシーになる
- 目はあるのだが、見えていない。息を止めると場所を特定されない。
怖いんだけど、どこかユーモラス。
これが子ども心を絶妙にくすぐってくるんですよね。
■ ブームの火付け役『霊幻道士』──ホラー×カンフー×コメディのごった煮
日本で最初にキョンシーを認識したのは、
おそらく1985年公開の香港映画『霊幻道士』じゃないでしょうか。
ジャッキー・チェン全盛期のあの時代、
カンフー+コメディのフォーマットにホラー要素をブレンドしたごった煮作品。
- カンフーアクションでキョンシーと戦い
- ときどきドジも踏み
- でも演出は意外とガチホラー
この絶妙なミックス感が“クセになる”とハマったんです。
夏祭りでお面、買った人も多いんじゃないでしょうか?
■ テンテンとベビーキョンシーの存在感
社会現象的なブームに火をつけたのは、TVシリーズ『来来!キョンシーズ』。
ここで登場する2大キャラが、子どもたちの心を掴みました。
🎀 美少女道士・テンテン

強くて、賢くて、可愛い。
霊符を使ってキョンシーを封じるその姿に、当時の小学生男子はみんなちょっと恋してたんじゃないでしょうか。
👶 ベビーキョンシー──にくめない“敵キャラ”

敵キャラとして登場するものの、
- たまに味方になる
- イタズラする
- ちょこちょこ跳ね回る
- なによりめちゃくちゃかわいい!
実はこれ、私の子どもにもめちゃくちゃ似てるんです(笑)
親バカ?(笑)
■ ベビー○○文化の元祖だったのか?
ベビーキョンシーが火をつけた“ちびキャラ人気”。
その後も似た構図が増えましたよね。
- ミニドラ(ドラえもんの弟)
- ちびうさぎ(セーラームーン)
- 孫悟飯(少年期)
- ピチュウ(ポケモン)

これらってベビーキョンシーが先駆けだったんじゃ?とすら思います。
■ キョンシーって中国ではどうだったの?
当時キョンシーにはまりまくっていた私は「キョンシー=中国全土で大人気」と思い込んでました。
でも──
数年前、中国人メンバー(上海出身、10歳ほど年下)と仕事をした際、
ふと話の流れで「キョンシーって懐かしいよね」と振ったところ…
「あー、なんかいましたね。ジャンプしてる妖怪みたいな…日本で人気だったんですか?」
と、びっくりするくらい温度感の低い反応(笑)
こちらがテンション高めにテンテンの話を振っても、「誰ですかそれ?」状態。
その時、思ったんです。
あれって、日本だけのブームだったんだ。
■ たぶん、「おぼっちゃまくん現象」に近い
この感覚、最近で言えば「おぼっちゃまくんがインドで大人気」って話に近いです。

- 本国では過去の存在
- でも輸出先で“その国なりの文化”として定着
- 向こうでは「なんかよくわかんないけど、めっちゃ流行ってる」状態
キョンシーも同じ。
**中国発本国では受けなかった。でも“日本で独自進化を遂げたキャラクター”**というわけ。
🎬「君は○○を知っているか?」シリーズ、第1弾完!
日本だけで盛り上がり、日本でだけ独自の文脈を持ったホラーキャラ「キョンシー」。
あの頃の熱狂と、テンテンと、ぴょんぴょん跳ねてた自分の記憶。
次回は──
- 君は「すんげーベスト10!」を知っているか?

続編もぜひご期待ください!
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