伊東市長の学歴疑惑は、単なる一地方自治体の問題ではありません。

「またか」で済ませてしまえば、この国の政治の劣化は止まりません。
今回の騒動の認識は全国民、「まぁそういうことだよね」と思っているでしょう。
これは、選挙公報という公文書に記載された“公式な嘘”です。
「逃げ切れる」と思わせる政治文化
伊東市長がここまで堂々と疑惑を放置している背景には、「逃げ切れる」という政治文化の存在があります。
その象徴が、小池百合子都知事の学歴疑惑です。
彼女がカイロ大学を卒業していないことは、今や多くの国民が知る“公然の秘密”でしょう。
それでも彼女は都知事としての地位を保ち続けてきました。
この“逃げ切り”の前例が、政治家の間で「嘘も押し通せば許される」という空気を生み出してしまったのではないでしょうか。
割れ窓理論と政治の腐敗
「割れ窓理論」という考え方をご存じでしょうか。
これは、1枚の割れた窓ガラスをそのまま放置しておくと、やがてその地域全体が荒廃し、犯罪が増えるという治安理論です。
小さな秩序の乱れを放置すると、それが周囲に「ここは規律を守らなくてもよい場所だ」という心理を与え、無秩序が連鎖的に広がっていくのです。
政治の世界も同じです。
伊東市長の件や、小池百合子氏の学歴疑惑を「たいしたことない」「もう過去の話」と片付けることが、この国の政治における“割れ窓”になっているのだと思います。
小さな嘘や不正を見逃すことで、次第に政治家が嘘をつくハードルは下がり、社会全体のモラルも崩壊していく──今まさにその負のスパイラルが進行しているのです。
『女帝 小池百合子』の衝撃
石井妙子氏の『女帝 小池百合子』を読みました。
反小池の視点で描かれた作品であることを差し引いても、その内容はショッキングです。
もちろん誰しも完璧ではありませんし、政治家にも人間的な弱さはあります。
しかし本書から浮かび上がるのは、自ら作り上げた虚像を守るため、嘘を積み重ねざるを得なくなった一人の政治家の姿です。
同情すら覚えるほどですが、その虚像を許してきた社会構造自体の脆さも突きつけられます。
虚偽は“控えめに言っても犯罪”
民間企業の採用活動で経歴詐称や学歴の虚偽が発覚すれば、ほぼ確実に不採用や懲戒解雇です。
ましてや選挙公報は公文書であり、そこに嘘を記載する行為は控えめに言っても“犯罪”です。
悪しき前例を断ち切るべき
小池氏のケースを「もう過去の話」としてうやむやにしたことが、今回の伊東市長の問題を生んだのだと思います。
過去の虚偽を放置するたびに、政治家が嘘をつくハードルはさらに下がっていくでしょう。
悪しき前例は、たとえ時間が経っても明確に決着をつけるべきです。
有権者の責任も問われている
この構図を作ったのは政治家だけではありません。
派手なスローガンやパフォーマンスに惹かれ、肝心の政策や実績を見ずに票を投じた有権者の責任も大きいはずです。
「またか」で終わらせない姿勢がなければ、虚偽を許す社会は何度でも同じ過ちを繰り返します。
今回の問題は、我々自身への問いかけでもあります。
今日のところは、以上!
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