mutoです。
巨人で“絶対的エース”として君臨した男、菅野智之。
2025年、35歳にしてついにMLB挑戦を果たしました。
最終成績は 10勝10敗、防御率4.59。
数字だけ見れば「普通」「物足りない」と評されても仕方ないでしょう。
しかしその裏には、前半の安定感と後半の失速という対比、そして来季契約をめぐる厳しい現実が潜んでいます。
前半戦:7勝5敗、防御率4.44──堂々たる船出
オールスター前までの18試合、菅野は堂々とローテーションを守りました。
前半だけで7勝を挙げたのは、MLB初挑戦の日本人投手としては立派な成績。
現地メディアも「想像以上に通用している」とポジティブな評価を下しました。
後半戦:3勝5敗、失速が顕著に
後半戦は3勝5敗前後にとどまりました。
- 被本塁打・四球が増え、防御率が悪化
- 最終登板では5回途中4失点で黒星【出典:Baseball King】
- 「攻略されている」という印象が強まった
前半の安定感との落差が、ファンの期待値を大きく下回る結果となりました。
失速の理由(推論)
① 疲労の蓄積
35歳でシーズン通してローテを守るのは容易ではなく、体力的な限界が球威・制球に影響。
② 相手打者の徹底分析
前半の投球データを解析され、待ち球戦術や狙い撃ちで打ち崩される場面が増加。
③ 精度の低下
疲労+研究によりコースが甘くなり、被弾が増えて防御率が上昇。
田中・ダルとの比較で際立つギャップ
投手 | 年齢 | MLB1年目の成績 |
---|---|---|
ダルビッシュ有(2012) | 25歳 | 16勝9敗、防御率3.90、221奪三振 |
田中将大(2014) | 25歳 | 13勝5敗、防御率2.77、141奪三振 |
菅野智之(2025) | 35歳 | 10勝10敗、防御率4.59、91奪三振 |
ダル・田中がいずれも「二桁勝利+防御率3点台以下+三桁奪三振」を達成したのに対し、菅野は4点台後半・91奪三振にとどまりました。

ここに年齢的ハンデと全盛期を逃した不運が如実に表れています。
コロナが奪った“全盛期での挑戦”
本来なら数年前、30代前半の全盛期にMLB挑戦が実現していたはずでした。
しかしコロナ禍により、そのタイミングは失われた。
「もし全盛期に挑戦できていたら…」
そう考えると、菅野は“時代に翻弄された不運のアスリート”だったとすら言えるでしょう。
NPBに残っていれば──180勝も狙えた
もし巨人に残っていれば、通算180勝は十分に狙えたはずです。
それでも彼は、安定よりリスクを取り、挑戦を選んだ。
この選択こそが菅野の矜持でした。
来季はかなり厳しい現実が待つ
- もともと1年契約で延長保証なし
- 35歳という年齢的リスク
- 後半の失速で評価を下げた
これらを踏まえると、来季MLBの契約はかなり厳しいと見られます。
もし契約を勝ち取ったとしても、年俸は数百万ドル規模に買い叩かれる可能性が高いでしょう。
過去にも、黒田博樹が30代後半で再契約時に年俸を抑えられたり、上原浩治がマイナー契約から這い上がった例があります。
菅野もまた、マイナー契約提示なら受けるか否かという瀬戸際に立たされるかもしれません。
“言うは易し、行うは難し”──挑戦の価値
NPBに残っていれば積み上げられた勝ち星を捨て、リスクある道を選んだ菅野。
それは誰にでもできることではありません。
同世代の私(45歳)から見ても、「自分ならできなかった」選択だと思います。
だからこそリスペクトをおぼえます。
そして同じ年代のファンなら、多かれ少なかれ同じ感情を抱くのではないでしょうか。
“挑戦の意味”こそ最大の成果
菅野智之のMLB1年目は、数字の上では平凡。
しかし、コロナで挑戦が遅れ、NPBなら180勝も可能だった中で、なお挑戦を選んだ。
来季契約は不透明で、マイナー契約の可能性すらある。
それでも私は言いたい。
「挑戦したこと」そのものに価値がある。
この事実こそ、菅野智之がファンに残した最大の成果です。
今日のところは、以上!
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